CHAPTER-1
1)意匠権の侵害の態様
意匠権の侵害には、直接侵害、間接侵害があります。 また、登録意匠を利用する意匠を実施する行為も意匠権の侵害にあたります。
(1)直接侵害:
正当な権原なく意匠権者以外の他人が、業として登録意匠またはこれに類似する意匠を実施(製造、販売、輸入など)する行為をいいます。
(2)間接侵害:
登録意匠またはこれに類似する意匠に係る物品の製造にのみ使用するものを意匠権者に無断で製造、譲渡等する行為をいいます。
(3)利用関係:
他人の登録意匠またはこれに類似する意匠を利用する意匠を無断で実施した場合も意匠権の侵害になります。 利用意匠とは、他人の登録意匠等を自己の意匠の中に取り込んだ意匠をいいます。
例えば、部品に関する意匠権がある場合にそれを含んだ完成品を権利者に無断で製造、販売する行為や、形状のみの意匠について意匠権が存在する場合に、その形状に模様を表した製品を無断で製造、販売する行為は、意匠権の侵害になります。
CHAPTER-2
2)意匠権侵害の権利側の取得る措置
意匠権侵害に対しては、以下に示す民事上および刑事上の救済が可能です。
(1)差止請求:
意匠権が侵害されている場合、または侵害されるおそれのある場合、侵害行為の停止または予防を請求することができます。また、これと併せて、侵害に供する物の廃棄、除却を請求することもできます。
(2)損害賠償請求:
侵害行為によって損害が生じている場合、損害賠償を請求することができます。なお、損害額の立証は困難であるため、損害額の推定規定が設けられています。
(3)不当利得返還請求:
損害賠償の時効(侵害の事実を知った時から3年)経過後は、不当利得返還請求によって、自己の受けた損害を補填することができます。
(4)信用回復措置:
劣悪な侵害品等によって信用が害された場合、新聞紙上への謝罪広告の掲載等を求めることができます。
(5)意匠権侵害罪:
故意による侵害については、刑事告訴をして刑事上の責任を問うこともできます。
以上、意匠権侵害のご相談は、弁理士にお任せ下さい!